2023/09/20

TOMIX HO-157 EF510-500を直す

 ヤフオクを巡回していたところ、モータが回る音は聞こえるものの、走行不能というジャンクのTOMIX EF510-500が安く転がっていたので入線させてしまいました。


早速分解してみるとなぜかドライブシャフトがフライホイールから抜けてます。よくよく見ると台車側からドライブシャフトが抜けてしまっています。これじゃたしかにモータが回れども走行はできませんね。反対側も同様の状態でした。


よくよく観察してみると、台車側のウォームギヤについているカップリング部分にヒビが入っています。これが原因でスカスカになってしまって軸から抜けしまっていたようです。↑の写真はクリーニング後のものてすが、分解直後は大量のグリスに埋もれてました。樹脂部品はグリスに侵されて脆くなることがあるので、それが一因かもしれないですね。

シャフトにそのまま差し直してみましたが、当然のごとくゆるゆる。シャフトを荒らして接着することも考えましたが、そうするとオイレスメタルが抜けなくなってしまうことも考えられるため、整備性も考えて却下。単純に接着してみることにしました。最初は模型用透明ゴム系接着剤を使ったところ、あっさり抜けてしまったので、スーパーエックスに切り替えて見たところ、簡単には抜けない程度に接着できました。

モータ直結部分でウォームの手前の駆動部分であるため、そこまで大きなトルクがかかるわけでもないだろうということでこれで良しとしました。

その後、組み上げてお試しで単行運転した感じでは特段問題が見えなかったため一旦これで良しとします。

週末にコキ20両を引かせて勾配走行ができるのでそこで本当の評価ができるんじゃないかと期待。

2023/09/19

秋月C基板用のアクリル板セットを作った

電子工作の定番ショップ、秋月電子では色々な種類のユニバーサル基板が販売されています。その中でも個人的によく利用するのはCサイズの基板です。C基板は程よいサイズ感で好きなんですよね。
このC基板で試作した回路をそのまま活用することも多いのですが、やはり基板むき出しだとショートが怖い… かといってケースに入れるほどでもない… ということはよくあるかと思います。そこで便利なのが底面にネジで固定して使うアクリル板で、秋月公式で販売されています。
されてるんですが… ネジで板を固定しようと思うと、どうしても間にスペーサが必要で、手に入りやすいネジとスペーサだと間が大きくなりがちなのがずっと気になっていました。
そこで、アクリル板と同じサイズで板を使ってスペーサを作ってみました。

保護シートを貼ったままの状態のスペーサと底板です。スペーサの中身はガッツリくり抜いて、ノーマルC基板のランドを完全に避けられるようにしてあります。

保護シートを剥がすとこんな感じ。自分は回路が見えたほうが便利なので透明が好きなのですが、意外と回路を見せたくないという声もあったので黒も作ってみました。

実際に使ってみた様子はこんな感じ。ブレッドボードとかで回路のテストをするときにポテンショを並べるのは大変だし、操作しているうちに外れてしまうことが多々あるので基板に載せたものでした。こういう簡単な治具みたいなのをケースに入れるのは大げさなんですが、テストで使うときってだいたい机があれてて基板裏が保護されてるのはとても安心なのです。

基板端はこんな感じで、スペーサがしっかりランドを避けているのがわかります。

スペーサも底板と同じ2mmで作ったので、ピンヘッダ程度の飛び出し量であればこれで十分対応できます。

TO253パッケージの石や足の長いDIP部品を使ってたりすると厚みが足りなくなりますがスペーサを2枚にして対応できます。

コミケの展示等をするときにも、このアクリル板セットを付けとけば持ち運びも気楽になり、展示中のショートを防ぐこともできて安心です。

割りと良い感じにできたと思うので、BOOTHにて販売することにしました。ぜひぜひお試しください。

2023/09/10

KATO HOユニトラックの固定穴位置

  HOユニトラックの嵩上げの話を続けており、流石にフルで3Dプリントするのは歩留まりがしんどすぎるし、重さもそれなりになってしまうので木材系で橋梁を作る方向で模索中です。

その中で底板部分にユニトラックを固定できるようにするかー、と思っていたのですがなぜか測るごとに寸法が違って見えると思ってました。実は同じ長さのユニトラックでも種類によって固定穴の位置が違う事が発覚したので測ってまとめておくことにします。

工作に必要なものから測ったら適宜追加していこうかと思います。

測り方はどれも端面からの距離で、あくまでも目測も含む形になります。穴径は穴の端っこでの計測になりますが、奥に行くほど細くなっているので基本的にはM2のネジが効きます。

S246

従来品(固定穴非貫通、中央のポケットあり・なし共通、刻印2-150)

- 固定穴
    - 底面とツライチ
    - 穴径 1.9mm
    - 位置 12.5mm, 73.75mm
- オプション穴
    - 底面-1.6mm
    - 穴径 1.4mm
    - 位置 96.5mm, 111.5mm

PC枕木品

- 固定穴
    - 穴径 1.9mm
    - 位置 11.5mm, 72.75mm, 119.0mm(片側のみ)


S369

従来品(刻印2-180)

- 固定穴
    - 穴径 1.9mm
    - 位置 11.5mm, 100.25mm, 184.5mm

PC枕木品

- 固定穴
    - 穴径 2.0mm
    - 位置 11.25mm、49.5mm、95.75mm、180.5mm(片側のみ)

2023/09/02

アルナインのとて簡ロッドディーゼルを作る(1)

 

実は16番のワールド工芸のキットに手を出してしまいまして… 組み立て始めたところで「あ、はんだ付けの技量が足らん」と感じたので、とても簡単に作れることが謳い文句のとて簡シリーズの積みキットがあったのでこれで練習することにしました。

練習ということで、はんだ付け不要キットではあるものの全体的にはんだ付けで組み立てることにします。ついでにディティールアップもいろいろ取り組んでみることにしました。


とて簡は動力は完成済みなんですが、ここもせっかくなので工夫を。ということで中国の加工業者に発注して、極小サイズのフライホイールを作ってみました。正直小さすぎて効果あるのか分からなかったんですがやってみたかったというのが一番大きいところ。

実際に取り付けてみると、印加電圧3Vで走行させたときに空走距離が5mmくらい伸びた気がします。フライホイールも小さいですがモータも小さいので元々のイナーシャも小さく、こんなんでも効果あるみたいです。空走距離が5mm伸びればポイントの絶縁部分を乗り越えやすくなるし十分嬉しい効果ですね。


台枠を仮組みしたところでオプションのマグネマティックカプラを取り付けて確認してみたところ。高さもバッチリですね。こっちのほうが車内空間確保できそうだったのでモータの向きは取説と逆にしてます。

ただこれもオプションの警戒色のスカートを取り付けてある関係でめちゃくちゃ組み立てるのが難しいです…

まぁ難しいけどできないわけではないので良いことにしましょう。


このへんまで組んだところで欲が出てきてよりディティールアップしてみることにしました。スカートの裏を見ると意味深な穴ガイドが五箇所。一つは入換表示灯、四つは解放てこステーの位置にあったのでそれぞれ付けてみることにしました。入換表示灯にはトレジャータウンのテールライトを使ってみました。

解放てこはステーを真鍮帯板をカットして作り、可動できるようにしてみたかったのでてこ本体はピアノ線を曲げて作ってみました。はんだ付けせずにステーに開けた穴に通してあるだけになっています。すべて取り付けた段階でステーの一つのねじり方向が逆だったことに気が付きましたが、流石に取り付けをやり直す元気はなかったし、ほぼ目立たないので目をつむることにしました。

これだけで割りと情報量が増えていい感じになりますね。

そのままの勢いで上回りまで組み立て。角には半田を流し、隙間が見えないように塞ぎ、やすりで整えてます。また、キャブ側にもスカート同様にドリルガイドが至る所に用意されていたので手すりやドアハンドルを真鍮線から切り出して作ってみました。

ヘッドライトは点灯化しようと思っているので、ここでは取り付けずに塗装後に光ファイバーとともに取り付ける想定です。

まだまだ気になるところはあるものの、いつまでもこねくり回してると完成しない未来が見えてるのでさっさと塗装に移ってしまいます。

今回はプライマーとしてミッチャクロンの缶スプレーを使ってみました。缶スプレーですが霧が細かくてディティールが潰れることもなさそうで割りと良さそうです。

サーフェイサーは手持ちの在庫の都合でタミヤの缶タイプを使いました。

そのまま本体色まで塗装。ネットで検索して似てそうな個体の塗色を参考に橙色にしてみました。割と古い在庫の鉄道カラーを開けたところ、かなりドロドロになっていてめちゃくちゃに希釈したんですが、そのせいか結構な梨地というか完全につや消しになってしまいました。個人的にはテカった塗装がヤれてきたほうが好みなので後でトップコートすることにします。

台枠は鉄道カラーの台車ブラックにしました。参考にした個体はエッジだけボディ色が乗っているようだったのでマスキングして再現してみました。

とりあえず今回はここまで。しっかり乾燥させてから電飾関係を実装して組み立てるようにしたいと思います。

2023/08/18

KATO HOユニトラックの高架化を考える

 お座敷運転をしていると、敷居をまたぐ部分なんかでレールに段差ができてしまうことがままあり場合によっては脱線してしまうこともあります。特にHOユニトラックはつなぎ目がかなり弱く、エンドウのレールと比較するとかなり凸凹しやすいです。けどエンドウのレールはいいお値段なのと入手性が…ということで結局ユニトラックを使い続けてます。




そんな悩みを解決する一つの方法として、色んな人が嵩上げ用の台なんかを作っているのを見かけます。大体の人が木材をレーザーカットなどで加工しているものがほとんどなのですが、自分の場合は気軽にレーザーカットが使えないということと、ユニトラックもつなぎ目だけなんとかしたら大丈夫なんでは?と思い、足だけ3Dプリントで作ってみることにしました。

ユニトラックを挟み込むような形にしてあり、また、つなぎ目の出っ張りに引っかかりずれないようにしてあります。更にKATOの架線柱を取り付けられるようにしてみたりと拡張して遊んでました。

それをTwitter(X)に上げてたら、高架橋もほしい!という話が聞こえてきたので追加で考えてみることに。




それでできたのがこちら。自宅の3Dプリンタは200x200x200mmまでしかプリントできなく、HOユニトラックの標準直線246mm分は一発でプリントできないため、369mmの半分、184.5mmでプリントすることにしてみました。といいつつ写真のものは設計を間違っててもうちょっと短くなってます。

まだ接続部の寸法の詰めが甘くて隙間ができてたわんでしまってますが、ちゃんと詰めたら悪くない仕上がりな気がしてます。現状でもTOMIXの重たい電機二両並べても実走行上は問題ない程度のたわみで収まっているかと思います。また長さ的にも369mmごとに5mm登る勾配ならだいたい30‰になるのでキリもよく、橋脚の間隔としても369mmでも184.5mmでもちょうどいい気がしています。

接続面はLEGOのペグと呼ばれるコネクタを使うことにしてみました。FDM 3Dプリントの性質上、できるだけ出っ張った部分はなくしたかったのと、細いボスは精度良く作れないのでこれを使うことに。LEGO部品はバラ売りしているお店も結構あり、このペグは一個7円程度なので大量に使ってもまぁお財布には十分優しいもんだと思います。

問題はプリントに莫大な時間がかかること…現状の設計ではこれを2つプリントするのにだいたい10時間かかってしまってます。あと、一つのユニットが150gくらいとそれなりに重たいので、立体交差できるほどの勾配を作れる長さを確保しようと思うとちょっとしんどいですね。

プリント品だけで強度を出そうと思うとやはり厳しいので、アルミアングルとか角棒とかの梁を通せる構造にしておく構造のほうが現実的かもしれないなぁと思い次のバージョンではそれもトライしてみようかと思ってます。

しかし、カーブではその技が使えないので悩ましいな。

2023/08/05

TOMIXの16番コキ100系にマグネマティックカプラーを取り付ける

16番を始めてからというものの、ちゃくちゃくとコキを増やしております。Nでもできなくはないんですが、おっきい方が入れ替え遊びが楽しくできるというのもあり、順次ケーディーのマグネマティックカプラーを取り付けています。

と、言いたいところなのですが、TOMIXのカプラーをそのまま単純に入れ替えるだけでは「高さが合わない」「復元バネが効かない」という問題があって楽しく入れ替え遊びをすることができません。



もともとついてるカプラーポケットに、ケーディーの158番カプラーを取り付けた様子がこちら。158番はナックルが小型のSCALEタイプ、長さが中間のMedium、復元バネがカプラと一体化したタイプです。復元バネはカプラの両脇にヒゲのように出ている細い部分になります。158番に付属しているカプラーポケットでは、この復元バネの両端がつっぱることでセンタリングするようになっていますが、TOMIXのカプラーポケットでは復元バネが当たる部分がとても短く、下2つの写真の範囲ではバネが効かず、センタリングされません。

センタリングされないと、当然ながらカプラー位置がズレてしまうので連結するときに失敗してしまいますし、アンカプラー線路での解放もどちらか片方によってしまいやすく、うまく開放できないことが増えてしまいます。

そこでケーディーのカプラーポケットと同等の形状をもつカプラーポケットを設計し3Dプリントして見ました。



一番上が元々のTOMIXのもので、どうも製品の世代によって一部の形状が異なるようです。

真ん中が今回作ったカプラーポケットで、車種によって微妙に取付部の形状と高さが異なるため組み合わせを変えて最適な高さを作ります。

一番下がケーディーのカプラーポケットとの比較です。写真下側の側面に復元バネが当たる構造なので、ポケットの内側の幅と軸中心からの距離を揃えてバネ圧が同一になるようにしています。



左からコキ107、コキ106、コキ104、旧製品コキ106の順です。旧製品だけカプラーポケットのベース部に凸がなく、その他は全部形状は一緒でした。

ですが、それぞれ微妙にボスの長さが異なり、また車体側も微妙に凸部があったり、エンドビームの高さも異なります。

コキ107、新106はベースも含めて自作たものを、コキ104、旧106はベースはTOMIX純正を再利用しつつポケット本体を自作のものに入れ替えています。

どのコキも標準のカプラーは胴から上にナックルがオフセットしていることと、マグネマティックカプラーよりも厚さがあるため、純正のままマグネマティックカプラーに入れ替えると高さが低くなってしまうのですが、このホルダは高さを抑えてマグネマティックカプラーがギリギリ入る仕様にしてあるため高さが下がってしまうことを抑えられます。




以上で見てのとおりハイトゲージと比較しても(一応)問題なくなり、レールとツライチの踏切でも写真の通りクリアランスを確保できてます。

もちろん同様に換装した他の車両と連結しても問題ありません。

なんですが… 実はまだカプラーの高さが十分には上がり切っておらず、多少低いです。

また、できる限りクリアランスを詰めたものの、アンカプラー線路でトリップピンが引っ張られると首が下がってしまい、磁石とトリップピンが当たってしまいます。ただ、磁石に引かれた結果なので、アンカプラー線路への侵入そのものに支障はないためコレで良しとすることにしました。

2023/05/14

鉄道模型のポイントを安全確実に切り替える基板を作った

自動制御用にポイントがもりもり乗ったレイアウトボードを作ったんですが、ずっと塩漬けにしている理由の一つが、マイコンからポイント制御するときに下手をやらかして焼いてしまうのが怖いってのがありまして。

で、結構前に絶対焼かない回路を考えていい感じにできたはいたんです。


 そこからちょっと話題が広がり、大規模レイアウトとか用に遠くからポイント操作したい、とか、初心者にポイント触られても焼かれないような回路がほしい、みたいな話も聞こえてきたので、そっちを視野に入れた回路を作ってみました。

この回路では、下の方にある入力端子に操作用のトグルスイッチ等をつなぎ、上の緑の端子にポイントをつなぎます。実際に動かしている様子がこれ。

前の回路と同様、トグルスイッチのようなON/OFFスイッチの入力で定位/反位の切り替えを行えます。回路側で一定の駆動時間を作りポイントを操作するので、ポイントマシンを焼いてしまうこともありません。
駆動能力としては1回路にKATOなら4つ(両渡りは一つ)、TOMIXなら2つ(両渡りは一つ)のポイントを並列接続することができるので、待避線のようなものを一気に切り替える用途なら回路数を節約することもできます。KATOはNもHOも特性が変わらないのでどちらも使えます。

また、この回路は各ポイントスイッチ間が回路的に接続されていて、全回路がタイミングをずらして動作するようになっています。スイッチ操作を同時に行ったとしても、実際は同時には切り替わらず、順々に切り替わっていきます。これにより、電源から見るとポイント一つ分の負荷しか同時にはかからないため、消費電流的にも余裕ができ、TOMIXの電圧マシマシにしたハイパワー電源みたいなものを用意せずとも12Vで確実に切り替えができます。これは更にケーブルを長くしたときの動作安定にも繋がるので、大規模レイアウトだったり、HO/16番の運転会とかでポイントが遠方にある場合でも確実に切り替えができるようになります。あとは入力側は本当に単純な接点なので、入力側のケーブルは数十メートル単位で延長しても問題ないはず。

ツイートにも書いてありますが、この回路はどんどん数珠つなぎにしていくことができる設計になっているので、電源は一つのままスイッチ回路だけ拡張する基板を作る予定で考えてます。

これらの機能を実現するのに、この回路にはマイコンを使っておらず、単純なロジックICのみの構成となっています。自分はソフトウェアも書く人間ですが長時間マイコンで動かしたときの挙動の保証とか一番しんどいと思ってるので、ここではマイコンを使わずにロジック回路だけで確実に動作することを目指してみました。

ただ、この回路をマイコンと組み合わせて使うことを考えたり、単価のことを考えていたら基板一枚で2回路しかないのはちょっと使いにくい気がしてきたので、基板一枚あたり4回路にして、入力コネクタはMILボックスコネクタにでもしようかと思案中。

TOMIX HO-157 EF510-500を直す

 ヤフオクを巡回していたところ、モータが回る音は聞こえるものの、走行不能というジャンクのTOMIX EF510-500が安く転がっていたので入線させてしまいました。 早速分解してみるとなぜかドライブシャフトがフライホイールから抜けてます。よくよく見ると台車側からドライブシャフトが...